積雪時の交通事故防止
冬期の積雪・凍結道路での運転は、少しの油断が大きな交通事故を引き起こすおそれがあります。このページでは積雪・凍結道路での交通事故を防止するため、基本的な注意事項をまとめましたので、参考にしてください。
1 降雪(凍結)日の心構え~1人の不注意が大事故の原因に
降雪(凍結) 日は、普段よりも早めの行動を起こし、余裕を持った運転に心掛けましょう。そして、冬用タイヤをはめていても厳しい凍結等の場合には、タイヤチェーンを装着しましょう。
2 運転前の注意~雪やくもり等の除去
(1) 車体に積もった雪の除去
車に積もった雪を運転前に落とさない人は、事故を起こす予備軍です。車から落ちた雪が原因で、バイクや自転車が転倒するおそれがあるほか、フロントガラスの雪が視界を妨げ重大な事故に繋がりかねません。運転前には確実に雪を落としましょう。
(2) 灯火類に積もった雪の除去
視界を妨げる雪は落としても、方向指示器やブレーキ等のランプ類の雪の除去を怠っていると、周囲に意思が伝わりません。
(3) 氷結ガラスの雪やくもりの除去
フロントガラスの氷結した雪を少しだけ溶かして、前を覗くようにして走った経験がありませんか。車の運転は、前後左右が完全に見えて初めて安全に走れるのです。
(4) 履き物の雪の除去
履き物に雪がついたまま車に乗り込むと、ブレーキペダルから靴底が滑って事故の原因となる場合があります。車に乗り込む前に、靴底の雪は必ず落としましょう。
3 冬道の危険性
冬道には、次の危険があることを十分認識して運転することが大切です。
(1) 積雪又は凍結のため路面が滑りやすいこと
- 圧雪状態の道路は鏡のように滑りやすくなっていることが多く、冬用タイヤでも安心できません。
- 一見路面が黒く濡れているように見え、実は凍結しているブラックアイスバーンは、大変滑りやすく、スピードを出して接近すると非常に危険です。
(2) 降雪などで視界が悪いこと
ワイパーには、限度があります。フロントガラスや窓に付着した雪は、こまめに取り除きましょう。
(3) 交差点等の見通しが悪いこと
県北などでは、除雪した雪が路肩に高く積まれて路肩がはっきりしなくなったり、交差道路の見通しが悪くなったりしているので注意しましょう。
(4) 除雪した雪で道幅が狭くなること
他の車とすれ違う時には、無理をせず、ゆずり合いの気持ちをもって運転することが大切です。
(5) 歩行者も寒さ等で周りをよく見ないで歩いていることが多いこと
歩行者や自転車の側方を通過するときは、速度を落として安全な間隔をしっかり取りましょう。歩行者が突然滑って転倒することも考えられます。
4 滑りやすい危険箇所
次のような場所は特に滑りやすくなっているので、注意した運転が大切です。
- 風通しのよい橋の上
- 陸橋
- 坂道
- トンネルの出入り口付近
- ビルや樹木の日陰部分
- 山間部の日陰部分
5 走行時の注意
(1) 車間距離は3倍以上に
車が停止する距離は、積雪路面では、乾燥した舗装道路に比べて3倍以上になります。運転中の車間距離は、普段の3倍以上取ることが大切です。
(2) 合図は早めに
進路変更や方向転換の合図は、普段出しているタイミングよりも早めに行って、周囲の車や人に自分の意思を確認してもらえるようにしましょう。
(3) 「急発進・急加速」「急ハンドル」「急ブレーキ」は厳禁
特に、次のことに注意してください。
- 発進は、やんわり、ゆっくりが原則。
- カーブは、手前で十分速度を落として進行し、カーブを抜けてから徐々に加速すること。
- ブレーキはタイヤをロックしないように、ポンピングブレーキを使用して徐々に減速すること。
(4)「わだち」に逆らわないこと
わだちのある所では、速度を落としてハンドルの握りに力を入れず、わだちに沿って走るのが安全です。わだちから出る時は、急ハンドルや急加速は厳禁です。
(5) 交差点では優先意識を持たないこと
自分が優先道路を走行している場合でも、一時停止側の車が停止できないで交差点に進入してくることがあります。優先意識を捨てて相手の車や自転車の動きをしっかり確認しましょう。
(6) 坂道ではより慎重に
普段は殆ど注意をしない橋の前後の小さな坂が、積雪・凍結によって大きな障害となることがあります。
特に、次のことに注意してください。
- 上り坂では、あらかじめシフトダウンして、低速ギアで一定速度で上る。
- 下り坂では、手前で十分減速し、シフトダウンでエンジンブレーキを使用する。ブレーキを踏む時は、必ずポンピングブレーキを使用すること。
6 冬道の必需品
冬道を走行する時には、必ず次のものを車に備え付けてください。
- タイヤチェーン
- ジャッキ
- 軍手(作業用)
- ブースターケーブル
- 牽引用ロープ
- 懐中電灯等
7 終わりに
積雪時の運転は経験がものを言いますが、冬の道路は「滑るもの」と心得て、「速度は控えめ」にし、積雪・凍結時には不要・不急の運転を避けることが交通事故防止の決め手です。